音色
- 2015/4/15
- Music-School
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黄色いボックスは、私のキャパシター(コンデンサ)のストックです。フルアコでは現在はオレンジドロップを使うことが多いです。オレンジドロップは明るくふくよかな音色です。生ギター風なブライトな音色が好きなのと、殆どノーマルに近いところで使用するので、これにしています。
テスターはMASTECHのPOCKET-DMMです。これは長年使っています。写真ではポッドの値を調べています。これは因みに273.2kΩですね。つまり300kΩとして販売されているポッドですが、値にはこのくらいのズレがあるということです。ですから、皆さん「安もん買いの銭失い」じゃないけれど、安いものはこの値の差が激しいのです、ビンテージものも高額で販売されていますが、本来500kΩのものは20年、30年とビンテージなものは値が落ちていて300kΩ程度になっています。ギブソンなんかは、初めからビンテージ狙いで新品のギターにわざわざ(500kΩを付けるところを)300kΩのポッドを付けたりしていますね。
By the way(笑) ビンテージな味わいを出すのでしたら、ソープタイプのコンデンサーが良いと思います。グレートタイガーとかね、石鹸的な音色が(笑)独特ですからね。巷で有名なのはバンブルビーでしょうか?私の友達で、今では300万以上するデアンジェリコを持っているギタリストがいますが、これっ!取り換えても良いよ~なんて~軽く言う方でしたが(笑)流石に怖くて、メンテはご辞退させて頂きました。このデアンジェリコのエクセルには、バンブルビーという1950年代のコンデンサーが付いてましたね。しかし、バンブルビーながらピックアップはシングルコイルだったので、配線は比較的新しいナイロンの被膜(ノイズ処理に優れている)付のものが使われていました。この方はイーストマンのギターも持っておられましたが、こちらは、配線一式を私が一新しました~(^_^)/ 弾かれる方に合わせたつもりですが、彼はデアンジェリコを弾こうが、イーストマンを弾こうが、まったく同じで、とても素晴らしい音色でしたね~(^^)v 若干、イーストマンの方が四つ切りの3声のバッキングに向くかどうかぐらいでした。
本当を言うと、実は、ビンテージな音色はポッドだけでは不可能です。ギターの木材や、配線、使われているポッド、全てがトータルで関係するからです。しかも、前提条件は、その人が弾く限りどんなにビンテージ使おうが、新しいのを使おうが殆ど変りません(笑)その人の弾く音色になっちゃうのです。何をしてもね、、唯!何パーセントか!少し努力して変えれるところがあるのが、内部配線とポッド類~アンプです。所詮、フルアコと言ってもエレキギターです。いろいろなボデイの影響はありますが、最終的には配線を通してアンプを通しての音がメインになります。でも、、、それ以外にも、音色に関係することもあるんですよね、、それを以下でお話させて頂きます。
かの、ウエスモンゴメリーもそうですが、ウエスのアンプのセッテイングで他のギタリストが弾くと、とても弾けない高音カリカリの音色になってしまうそうです。その理由は簡単ですよね。親指による指頭奏法だったからですね。普通カリンカリンの音ではジャズでは弾けたもんじゃないですが、そのぐらいのセッテイングでないと、親指奏法では籠った音色になってしまうからですね。ウエスが結局ライブではスタンデールのようなアンプを使ったのは、真空管ではなくソリッドステイトなアンプの方が調整しやすかったというのが一つと、もう一つは、あのアンプを分解したときに気が付きましたが、どうもオーデイオ用アンプにあるようなセッテイングになっているのでは?ということでした。(パーツは、一部分樹脂で固められていてノイズ処理がされているようです)スピーカーも、ギター用でないものが使われていたようです。つまり、全帯域に音がクリヤで、大きな音がでる(80W以上)そのようなアンプになっています。
さて、目に見える世界においては、上記のようにピックを使うギタリストが、ウエスのギターやアンプを使っても、同じ音色にはならない、良い音にはならないことは、その奏法の違い(ウエスは親指奏法)から容易に理解できますが、では、ウエスと同じ親指奏法にして、ギターやアンプもウエスと同じにして、果たして同じ音色になるでしょうか?それは「否」ですよね、、、。
偉そうな事を言うつもりは毛頭ありませんが、あえて申し上げれば、「音色」などは、ギターや、内部配線、アンプ、使う機材、いろんなことが全体で関係しあって創り出してるものです。しかし、忘れてはならないのが、その人の「人生観や、考え、思いなど、精神的な要素」も、深く深く関わっているのではないでしょうか?まぁ、密なるお話はこのぐらいにした方が良いかもですが(笑)「音楽は楽しければ良いいだよ~」なんて言う方々には、ちょっと縁遠いお話にはなっていくでしょうからね、、、。
ただ、例えれば、富士山にヘリコプターで上がって頂上に上ったというのとですね。装備もしっかりし、日々の精進や鍛錬も行い、頂上を目指す登山では、その楽しむという言葉の意味が違っているという事を言いたいですね。登山の途中、過程にあること、「そよ風であったり」あるいは「春の匂い」であったり、新しい「人」との出会いであったり、あるいは石に躓いてこける、「痛い思い」をすることもあります。でも、素晴らしいじゃないですか!それらが、本当の楽しさってもんじゃないでしょうか?そもそも、音楽を演奏する楽しさとはそういうものではないでしょうか?プロもアマも関係ないと思います。上手くなればなるほどに楽しさは増し、喜びは他者をもまきこんで広がっていくのです。音楽を練習する楽しさということは、「楽=らく」することじゃないですね。
実は、音楽を練習したり、探求、学習、実践したりしていく事の、奥にあることは、「素晴らしい精神性をつかむことでもあるのです」忍耐力や、努力することの大切さや、青臭いことを言うようですが、智慧や、創造力、愛、平和、自由、目には見えませんが、しっかりと存在している、素晴らしい精神性そのものをつかんでいるんだ、、ということが言いたいわけです。また、言い換えれば「自分の心の中にある、小さな素晴らしさの発見の旅なんです」それは掴めばつかむほど「他者の素晴らしさの発見にも必ずつながります!」
ともあれ!ウエスが大好きなのは良いですが、ウエスと同じギターを使おうが、アンプをスタンデールしようが、指頭奏法にしたところで、100%!同じ音色にはなりません!これだけは断言しておきます。それに何十年かけてもできません。人が違うのですからね、、そもそも、その違っているのが素晴らしいんです!!プロを目指している生徒さんには、是非!自分らしい音色を、個性的な素晴らしいスタイルを、一生作り続けて、その過程で、その音楽でもって、人と人の間に「感動」をもって、心と心を結びつけられるようになって頂ければと、、心から願っております~(^_^)/