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ロス・オリブオスのセゴビア (1967年のドキュメンタリー)
- 2022/2/24
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この場所への愛着とここでの生活の静けさが手放しがたくー今年は3度もオーストラリア行きを断りました。日本や南アメリカのツアーもーこれまでに何度も訪れた場所ばかりです。ここでの休息を終えたら2か月か3か月は週に3回か4回コンサートを開きます。
コンサートで観客の前に出なければならない時、いつも恐怖を感じます。自分を信頼していないからではなく、予測できない要素が多くあるからです。ホールの大きさ、室温、湿度、それにギターはとても気まぐれです。とても良い音が出る時もあればそうでない時もある。
ステージ恐怖について言えば、サラ・ベルナールという素晴らしい女優がいました。彼女は若くてかわいい才能のない女の子にこう言っています。女の子が言いました!私トラックを感じないんです!トラックとはフランス語でステージ恐怖のことです。サラはこれに対して言いました。”もう少し待ちなさい、才能を持つようになったらトラックを感じるようになるから”
質問者ーマエストロ コンサートをいつまで続けたいとお考えですか? マエストローうーん健康状態によります。それと私の興味が聴衆を魅了することに向いているかどうかにもーでも引退はしないつもりなんです。本気ですよ!でもしなければならないでしょうね。
質問者ー演奏家になられたばかりの頃ーギターがこれほど広く認められるのを目にできると思っていましたか?マエストロー少しずつ出来るのではないかと思うようになりました。聴衆や批評家、作曲家たちがギターに対して興味を持ちつつあるのを感じるからです。
質問者ーこれほど多くの音楽学校でギターを教えられるようになることは? マエストローああ、それが最後の仕事となるでしょう。そこに力を注ぐつもりです。若者の心をとらえて教え刺激するのはーとても楽しい作業です。彼らは天から音楽の才能を授かっているのですから。
質問者ーアンダルシアの詩にはいつもー生きる苦しみと死の悲劇がが登場します。その要素にどのようにアプローチされますか?マエストロー一言で答えるのは難しい。いろんな思いがありますがーその中で2つ、補完的なものについてお話ししましょう。
まず、私たちは歴史的に何かを失うことに慣れています。そのために、この世での喜びを簡単に見失ってしまいます。愛するものについても同じです。2つ目は、最初の要素に加えてー我々はもう一つの世界を強く信じているということです。今のこの生を終えたら、ーすぐにべつの生へと移るのだとー
質問者ーあちら側にもあなたのやることが残されていると思われますか? マエストローもう一つの世界にも?わかりません!でもひとつ覚えている話があります。 死のうとしている男を神父が慰めていてーもう一つの世界で待っているたくさんの美しいものについてー教えを授けていました。すると男は答えました。”いいかい、家ほど素敵な場所はないんだよ”(あの世を信じてはいない)
私も同じように感じるでしょう(あの世の天国の美しさを信じている立場で、この世に生かされていると思っておられると思います)でも!残念ながら神の意思には逆らえません! そこで、私はいつもこう祈るのです。”神よー私はあなたの栄光に価するものではありません” ”天国に価するものではありません” ”とても厚かましいお願いですが” “どうかここに居させてください”