僕らが作ったギターの名器

椎野秀聰(しいの ひでさと)

この本で一番感動したのが、以下の文章でした。

●旅を通じて私が実感した彼の地の音楽の伝統は、決してアカデミックなものではなかった。学校で学ぶ音楽ではなく、もっと生活に寄り添い、日歩に暮しを豊かにするような音楽だった。それが、私には少なからず衝撃的だった。ボデイブロウのように、何か腹の底にずしりと重たいモノを突きつけられたように感じた。

一例を挙げれば、パリの製作家ロベール-ブーシェは、美術学校の教師で、また画家でありながら、自分の愉しみのためにギター制作を始めている。また、スペインからイギリスに渡ったロマニリョスは、祖国スペインを想う気持ちからギターを欲したが、本格的なギターを買うお金がなく、しかたなしに自分でギターを制作し始めている。どちらも純粋な趣味から始まって、世界の名工へ列せられるまでになっている。これを一体どう考えればいいのだろうか?彼ら天賦の才に恵まれた名人で、たまたま人生の途中からギター制作の道に入った例外と解釈すればいいのだろうか?」

そうは私は考えない。彼等には自身の内から、ほとばしり出るようににして、あらかじめ「音」が在ったのだと考える。楽器製作者にとって、もっとも本質で不可欠の要素、「己の求めるサウンド」が明確にあったからこそ、二人は天賦の才を活かすことも可能だったのだろうと思う。それこそが血肉となった伝統のなせる業、ヨーロッパの音楽、楽器製作の歴史そのものだと、私は解釈した。

ほとばしり出るようにして、あらかじめ「音」が在ったのだというところは心に響いてきますね~(^^)v 人は、誰かに教わったから、それが美しいとか、先生にこういう絵は素晴らしいからと教わっていて、それを美しいと感じるのではなく、もともとその美しさを知っています。誰かに教わったのではなく、先験的にアプリオリにそれを知っている。ともあれ、この本は、楽器製作に携わる方々の、心の奥にある、ほとばしる情熱を、愛を感じるようなご本でした~(^_^)/

siino

北垣 響絃北垣響絃-音楽事務所代表 7弦ジャズギタリスト

投稿者プロフィール

北垣 響絃 【Kitagaki Narito】

京都生まれの大阪は古市育ち。 18歳頃~より、オイルフットブラザーズのギタリストがプロとしてのスタート。バックギタリストとして(敬称略)中川イサト、大塚まさじ、金森孝介、泉谷しげる、なぎら健壱、世良公則などのレコーデイングや、主にフォーク系のミュージシャンのライブ等に参加。 北垣響絃-音楽事務所代表。 各楽器講師(70名以上)講師人材派遣業務を中心に、音楽教室も多店舗展開(楽器店と提携)し、数多くの生徒を育てている。
著書は、中央アート出版等から「ブルーインクラシックVol1からVol4、ギターでモーツアルトVol1~Vol3、 その他10冊程発売中。

Dear All, Let me introduce myself My name is Narito Kitagaki. I was born in Kyoto in Japan on July 7th, 1954. At present,  I live in Hino in Tokyo with the wife. I've been married for 40years. I'm a 7string-Gitarist, Educator.  Tied up with the music store and it sends a music instructor. 
Thank you for visiting.

KITAGAKI-NARITO,Inc.
3-20-12Hodokubo,Hino-Shi,Tokyo,Japan.191-0042
Tel : +81 080-5492-7127
Ofice:+81 080-5492-5585
E-mail : mkmusic@mkmusic.info

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